この記事でわかること

  • chromakey フィルタでクロマキー合成を行うコマンド
  • キーカラー・類似度(similarity)・ブレンド(blend)のチューニング
  • 背景動画や静止画との合成方法
  • colorkey フィルタとの違い

テスト済みバージョン: FFmpeg 6.1(ubuntu-latest / CI検証済み)
対象 OS: Windows / macOS / Linux


クロマキー合成の仕組み

chromakey は映像の特定の色(通常は緑または青)を透明(アルファ)に変換するフィルタです。透明になった部分に別の背景映像を重ねることで合成映像を作成します。


基本コマンド

グリーンバックをキーイングしてアルファ付き映像を生成する

ffmpeg -i input.mp4 \
  -vf "chromakey=0x00FF00:0.1:0.2" \
  -c:v png output.mov

引数の順序は color:similarity:blend です。

  • 0x00FF00 — グリーンのキーカラー(HEX)
  • 0.1 — 類似度(0〜1、大きいほど広い範囲をキーイング)
  • 0.2 — ブレンド(0〜1、エッジを滑らかにする)

背景静止画と合成する

ffmpeg -i background.jpg -i input.mp4 \
  -filter_complex "[1:v]chromakey=0x00FF00:0.1:0.2[fg]; [0:v][fg]overlay" \
  output.mp4
  1. [1:v]chromakey=... でフォアグラウンド映像をキーイング
  2. [0:v][fg]overlay で背景と合成

背景動画と合成する

ffmpeg -i background.mp4 -i greenscreen.mp4 \
  -filter_complex "[1:v]chromakey=0x00FF00:0.15:0.1[fg]; [0:v][fg]overlay" \
  output.mp4

パラメータ詳細

パラメータ説明推奨値
colorキーカラー(色名またはHEX)0x00FF00 / green
similarityキーカラーの類似度しきい値(0〜1)0.080.2
blendエッジのブレンド量(0〜1)0.00.3

similarity の目安

効果
0.010.05厳密(完全に緑の部分のみ除去)
0.10.2標準(多少の色ムラに対応)
0.3〜`広め(不均一な照明に対応、ただし被写体も除去される可能性)

ブルーバック合成

ffmpeg -i background.jpg -i bluescreen.mp4 \
  -filter_complex "[1:v]chromakey=0x0000FF:0.15:0.1[fg]; [0:v][fg]overlay" \
  output.mp4

color0x0000FF(青)に変更するだけでブルーバックにも対応できます。


任意の色をキーカラーにする

映像内の特定の色をキーにしたい場合、ffprobe などで RGB 値を確認してから指定します。

ffmpeg -i background.jpg -i custom_screen.mp4 \
  -filter_complex "[1:v]chromakey=0x00B400:0.12:0.15[fg]; [0:v][fg]overlay" \
  output.mp4

colorkey フィルタとの違い

chromakeycolorkey は似ていますが動作する色空間が異なります。

フィルタ色空間特徴
chromakeyYCbCr(YUV)映像標準に適合、実写に適する
colorkeyRGBシンプル、CGやアニメに適する

実写映像のグリーンバック合成には chromakey(YUV)を使うことが推奨されます。


アルファチャンネルが必要なコンテナ

キーイングした映像をアルファ付きで保存する場合、対応したコーデック・コンテナを使います。

# ProRes 4444 (MOV) でアルファ付き保存
ffmpeg -i greenscreen.mp4 \
  -vf "chromakey=0x00FF00:0.1:0.2" \
  -c:v prores_ks -profile:v 4 output.mov

# WebM (VP9) でアルファ付き保存
ffmpeg -i greenscreen.mp4 \
  -vf "chromakey=0x00FF00:0.1:0.2" \
  -c:v libvpx-vp9 -auto-alt-ref 0 output.webm

注意点

  • chromakeylibavfilter に含まれており、追加ライブラリは不要です。
  • 均一な照明で撮影されたグリーンバックほどキーイング品質が上がります。
  • similarity が大きすぎると被写体の緑色部分(服・目など)も除去されます。
  • blend を大きくするとエッジが半透明になりますが、フリンジが残りやすくなります。

関連フィルタ

  • colorkey — RGB色空間によるカラーキー
  • lumakey — 輝度値によるキーイング
  • overlay — 映像の重ね合わせ

関連リソース

よく使うオプション・フィルタ・コーデック設定をまとめた PDF チートシートです。手元に置いておくと調べる時間を短縮できます。

FFmpeg チートシート