動画は小さくできても、画質がそのままとは限りません。 元動画を残し、少し圧縮したコピーを再生して比べるのが最初の一歩です。

動画圧縮ツールでは画質優先か目標容量を選べます。送信制限がなければ、まず画質優先で試してください。

同じ動画を3設定で測りました

2026-09-10に、1080p・30fps・10秒、音声のないアニメーションをWindows版FFmpeg 8.1で変換しました。全設定H.264、preset fast、各1回です。元ファイルのサイズは30,704,510バイト。以下のMBは1,000,000バイトです。

設定 実容量 元動画からの削減率
CRF 23 7,246,823 B(7.25 MB) 76.4%
CRF 28 3,337,442 B(3.34 MB) 89.1%
CRF 36 1,035,620 B(1.04 MB) 96.6%

CRFは圧縮の強さに関わる数値で、大きいほど小容量になりやすく、画質も落ちやすくなります。この削減率を自分の動画に当てはめないでください。 すでに小さく圧縮された動画には、同じだけ減る余地がないこともあります。

3秒地点の実画像

次の画像は変換した動画から取り出した同じ地点です。表示用に幅960pxへ縮小しています。細い草・葉の輪郭と、陰になった部分を比べてください。

元動画

元動画の3秒地点。細かな草と葉が映るアニメーション

CRF 23:7.25 MB

CRF 23で変換した3秒地点の画像

CRF 28:3.34 MB

CRF 28で変換した3秒地点の画像

CRF 36:1.04 MB

CRF 36で変換した3秒地点の画像

圧縮ツールの比較スライダーでは境界を動かして重ねて比べられます。静止画1枚や縮小表示では、動いているときの崩れや原寸の細部を判断しきれません。

自分の動画では、この3点を確認

  1. 文字が読めるか。 字幕やゲームの小さな文字、資料の数字は、顔より先に気になる場合があります。相手が見る画面サイズで確認します。
  2. 動く場面が崩れないか。 カメラを振る場面、水面、草木などを一時停止と再生の両方で見ます。
  3. 音と長さが合っているか。 冒頭と末尾を再生し、音声の消失や途中切れがないかを確認します。

画質が気になるなら、必ず元動画から弱い設定でやり直してください。圧縮後のコピーを再圧縮しても失われた細部は戻りません。

画質を優先したいときの選び方

目的 最初に試す方法
見せたい場面だけ送る 動画カットで必要な部分を残す
全編を残して容量を減らす 圧縮ツールの画質優先
元画質を保って共有する 元ファイルをクラウド共有し、相手の閲覧権限を確認

解像度を落とすと小さくなることがありますが、小さな文字も読みにくくなります。「720pなら十分」と一律に決めず、動画の用途で選びます。

共有先に合わせて容量を決めたい場合は、WhatsApp向け圧縮Slack向け圧縮で目標容量と出力の実サイズを比較できます。プリセットはサービスの一律上限ではありません。相手に見せたい細部が読めなくなるなら、圧縮を強める前に共有リンクや短い抜粋を検討してください。

スマホの処理時間もこの数値と同じ?

違います。今回の測定はデスクトップのFFmpegで、サイトのブラウザ版とは実行環境が違います。ブラウザ版は初回にプログラムの読み込みが必要で、長い動画はメモリ不足になる場合もあります。PC測定の秒数からスマホの完了時間は推定しません。

検証の範囲と再現方法

3つの出力をFFmpegで最後までデコードし、10秒・1920×1080・H.264・yuv420pであることを確認しました。今回、音声の保持、実写、HDR、スマホ実機、主観評価、VMAFは測定していません。

実行コマンド・容量・ファイルハッシュを公開しています。再現スクリプトはリポジトリの scripts/measure-sharing.ps1 です。処理時間は各1回の参考記録で、平均値ではありません。

画像・動画素材は Big Buck Bunny © Blender Foundation、CC BY 3.0提供元の動画を変換・縮小しています。