最初は合っているのに、時間がたつほど音と映像がズレていく動画は、最初から同じだけズレている動画とは原因が違います。まず、どこで再生するとズレるかを確かめます。

  • 写真アプリなどでは合っているのに、編集アプリに入れるとだんだんズレる。 多くは、コマの間隔が一定でない動画(可変フレームレート)を、編集アプリが一定だとみなしているためです。VFR→CFR 変換ツールで確かめ、固定フレームレートに変換してから読み込みます。
  • どのアプリで再生しても、だんだんズレる。 録画・録音のとき、またはその後の変換や書き出しで、ファイルの中の時刻がずれています。変換のあとからズレたなら、元の動画からやり直します(変換したあとに音ズレする場合)。別々に録った音声なら、音声の速さを合わせます(パソコンでの直し方)。
  • 最初から最後まで、同じだけズレている。 音声の始まる位置がずれています。音ズレ補正ツールで、音声を前後にずらします。

可変フレームレートとは

動画は、1 秒に何枚かの画像(コマ)でできています。1 秒あたりのコマ数を fps と書きます。画面録画は画面が動かないときにコマを減らすことがあり、スマホのカメラは暗い場所でコマの間隔を延ばすことがあります。このようにコマの間隔が変わる動画を可変フレームレート(VFR)、間隔が一定の動画を固定フレームレート(CFR)と呼びます。

再生アプリは、コマごとに記録された時刻を見て再生するので、ズレません。ところが編集アプリの中には「1 秒に 30 コマ」のように間隔が一定だとみなして読み込むものがあり、そのぶん映像の長さが変わって、音がだんだんズレます。

このサイトで確かめた例

2026 年 10 月 2 日に、試験用の 10 秒の動画を 1 本作り、1 回ずつ確かめました。前半 5 秒は 1 秒 30 コマ、後半 5 秒は 1 秒 15 コマで、全部で 225 コマです。音は 1 秒ごとに「ピッ」と鳴る 10 秒のものです。

  • 編集アプリの読み違いをまねる。 動画を処理するソフトの FFmpeg(パソコン版 8.1)で、すべてのコマを 1 秒 30 コマとして並べ直しました。映像は 7.5 秒になり、音は 10 秒のままです。前半は合っていて、後半からズレが広がり、最後は 2.5 秒ずれます。
  • VFR→CFR 変換ツールに入れる(パソコン(Windows)のブラウザ、Chromium)。「VFR の疑い」(平均 22.65 fps、基準 30)と表示されました。先頭のコマの間隔を調べると、33% が不揃いでした。
  • 出力のレートを「自動」(30)、画質を「標準」(CRF 22)のまま変換する。 映像は 300 コマ・10.0 秒になり、音(10.0 秒)と同じ長さになりました。元の動画はそのまま残ります。

測った値と、試験用の動画の作り方も公開しています。

スマホで直す手順

変換は、ファイルの中のズレを直すものではありません。編集アプリが読み違えないように、コマの間隔をそろえるものです。

  1. VFR→CFR 変換ツールを開き、動画を選びます。スマホでは写真やギャラリーから選べます。500MB・15 分までです。
  2. 「VFR の疑い」と出たら、出力のレートは「自動」のままで変換します。「不明」と出たら「先頭30秒のフレーム間隔を調べる」を押し、「解析範囲で間隔にばらつき」と出たら同じように変換します。編集アプリのプロジェクトのフレームレート(30 や 60 など)が決まっていれば、それに合わせます。
  3. 変換した動画を、編集アプリに読み込み直します。冒頭・中ほど・最後で、口の動きや手をたたく音が合っているかを確かめます。

動画はこの端末の中で処理され、外には送られません。長い動画は、スマホのメモリが足りないと途中で止まることがあります。そのときは、パソコンのブラウザで同じツールを使います。

変換しても直らないとき

  • 写真アプリなどで再生しても、変換の前からズレている。 ファイルの中の時刻そのものがずれています。固定フレームレートにしても直りません。
  • 外付けマイクなどで別々に録った音声を、あとから映像に合わせた。 機器の時計のわずかな差で、長い動画ほどズレが広がります。音声の速さを、ズレた割合だけ変えます。手順は音ズレが徐々に進む問題の直し方(パソコン)にあります。
  • 最初から同じだけズレている。 音ズレ補正ツールで、音声を前後にずらします。

録るときに防ぐ

録画アプリに、フレームレートを固定する設定があれば、それを選びます。編集アプリに読み込む前に変換する手間がなくなります。

関連: 変換したあとに音ズレする場合、可変フレームレートを固定にする(コマンド)